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チューリッヒ・ノースアメリカが抱えていた課題

チューリッヒ・ノースアメリカは、法人および個人向けに保険商品やサービスを提供する業界最大手の保険会社である。法人顧客は農業から建設業まで多岐にわたり、フォーチュン 500 企業が 90％以上を占めている。また、フーバーダムやコンフェデレーションブリッジなど、北米で特に有名な建造物の建設も支援している。

保険業界は、いくつかの意味で大きな変革期にあり、テクノロジーによって事業運営や業務の効率化が急速に進んでいる。また、新しい会計基準の導入が予定されており、チューリッヒも適用に向けた準備と、会計システム更新の必要性に迫られていた。

新たな ERP システムへの移行は、多くの場合、何年もかかる大がかりな業務である。しかし、企業は移行期間中も内部統制とコンプライアンスを維持する必要があり、その効率性を高めることがコスト管理の鍵を握る。また、IFRS に基づいて財務報告を行う保険会社は、2023 年 1 月までに IFRS 第 17 号（保険契約に関する新しい国際財務報告基準）を適用することが求められているため、IFRS 第 17 号適用に向けた準備と移行を進める間、2 つの元帳を並行して運用し、それぞれに財務報告を行う必要があった。そのことが旧 SAP システムから SAP S/4HANA に移行するという同社の決断を後押しした。

しかし、SAP S/4HANA が持つ豊富な機能とメリットにもかかわらず、複数の元帳を作成しなければならないということは一部の業務で一定期間、会計スタッフの負荷が大幅に増加することになるとトランプ氏は考えていた。また、システムの移行に際して、すべての会計データに対するコンプライアンス、内部統制、可視性を確保するためには膨大な量の手作業が必要になると推測していた。

BlackLineの導入経緯

チューリッヒは、2011 年よりすでに複数の BlackLine ソリューションを導入しており、地域ごとの要件に対応しながら、世界中の拠点の決算を一元管理していた。このことにより、チューリッヒ・ノースアメリカは 170 ものグループ会社を有しているにもかかわらず、内部統制の強化と可視性の向上を実現している。

こうした事情から、BlackLineが機動性が高く、信頼できるソリューションとして認識されていたため、適用業務の拡大とともに、ERP 移行のサポートのためにBlackLine の追加機能を導入することに経営陣も支持を表明した。

そして、チューリッヒ・ノースアメリカは、SAP S/4HANA への移行に伴うスタッフの作業負荷を軽減するため、移行プロセスのコントロールセンターおよび自動化ソリューションとして BlackLine の採用を決定。BlackLine のアドバイザーから支援を受け、既存の勘定科目構成を新しいシステムにマッピングし、新旧システムを通じてポリシーや手順などの履歴を維持するとともに、全体的な一貫性を確保した。

では実際に、BlackLineをSAP S/4HANA への移行に伴うコントロールセンターとして導入したチューリッヒ・ノースアメリカ社では、この決定がどのようなメリットを生み出したと実感しているのでしょうか。
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