BLACKLINE

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月初1時間の質が変わる!~花王の経理実務担当者が紹介する業務改善の道のり~

「BeyondTheBlack TOKYO 2022」レポート#7

花王グループは、2020年にBlackLineを導入し出社率1020%を実現させ、さらに決算業務時間30%削減を目指し、経理業務の継続的な改善を進めています。本セッションでは、花王株式会社 会計財務部門 管理部で管理会計を担当し、BlackLineの導入プロジェクトに実務側のメンバーとして参画した照沼秀晃様に、BlackLineを活用した経理DXのポイントや苦労した点、そして、如何に作業工数"を圧縮し、月初の貴重な時間を付加価値の高い業務にシフトさせたかについて、弊社アプリケーションサポートアナリストの樽田光弘が対談形式でお話を伺いました。

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【アジェンダ】

BlackLine導入の経緯と効果

花王の会計財務部門は、EVA®導入やERP導入、IFRS適用など『絶えざる革新』を続けてきたが(※)、決算業務に関しては手作業が中心で課題認識していた。そんな中コロナ禍でのテレワーク推進がトリガーとなって2020年にBlackLineの導入を決定し、現在ではタスク管理、勘定照合、マッチング、仕訳入力の4つのモジュールを導入している。導入の効果について照沼氏はこう語る。

「完全リモートでの決算業務を実現し、2021上期には手作業をほぼなくすことができた。また、タスク管理で業務が標準化され、マッチングと仕訳入力で効率化を果たすことができた。業務の標準化については、BlackLineを決算業務のプラットフォームとして利用することで、決算タスクを管理する粒度やフォーマット、そして“言葉”が標準化された。また、前払処理のように件数が多く、業務に関わる担当者の数も多い業務では、以前は誤処理や処理漏れがあったが、BlackLineで自動化することでこのミスが解消された。さらに自動化が進むことで、手間を増やすことなく四半期単位から月次単位に変更することが可能となり、これにより費用発生の平準化を行うこともできた。」

花王様導入事例はこちら

導入後の課題

現在の課題は、SAP社のERPBlackLineの連携をタイムリーに実施できていないこと。決算の締めが迫る中ではBlackLineの処理結果がERPにリアルタイムに反映して欲しいケースがあるが、そういう運用になっていない。

そしてもうひとつの課題が、担当者間でBlackLineの活用度合いに差があること。BlackLineを使うことでどう仕事が変わるのか、その効果感の伝え方や具体的な見せ方について工夫が必要であると照沼氏は考えている。

実務担当者としてのBlackLineの使用感は?

この問いに対し、照沼氏は、BlackLineを使い始めて1年以上が経過し、BlackLineのプラットフォームとしての価値がはっきりし始めていると答えた。BlackLineを使うにしたがい、過去のデータや資料がBlackLine上に蓄積され、業務上の疑問や不明点もBlackLineを覗けばだいたい解決できるような環境が整ってきていると言う。

また、マッチングや自動仕訳では経理担当者にシステムの設定を変更するスキルが備わってきており、今後さらなる業務効率化が期待できると言い、データの一元化が進んでいる様子や経理担当者の間でBlackLineの習熟度が高まっている様子をうかがうことができた。

導入後の変化

管理会計を担当する照沼氏にとって、月末は当月の損益の着地予想を行い、翌月初には締まった損益に対し、どこに課題があり、どんな手を打てばよいかを、情報の鮮度を落とすことなくいち早くフィードバックすることが重要な業務であるが、これまでは部門間の費用配賦などの作業にも月末月初の貴重な時間を取られていた。しかし、BlackLineを活用した経理DXを進めた結果、時間の使い方と業務の質が変わったと言う。

BlackLineで月末月初の“作業”が自動化され、予想や分析に注力できるようになった。また、時間に余裕ができた結果、締まってから分析するのではなく、着地予想をしながら、次のアクションを考えることもできるようになった。」

今後の方針

BlackLineを活用した今後のDX推進の方針について、照沼氏は監査対応とシェアードサービスをあげた。
「これからシェアードサービスを本格的に導入する際に、プラットフォームとしてのBlackLineの活用がキーになってくると思う」

BlackLine導入を検討中のみなさまへのメッセージ

セッションの最後に照沼氏は導入プロジェクトを振り返り、こう語った。

花王のBlackLine導入は、PDCAではなくDCAPがプロジェクトのキーワードだったので、実務担当者としてまずはやってみることを心掛けた。やってみて初めて見えた課題もあった。BlackLineは小回りが利くシステムで、自分たちでカスタマイズができる。そのBlackLineのシステムとしての特徴がDCPAと相性がよかったと思う。

照沼様、BlackLineを活用した業務改善の道のりと、さらなる有効活用のための課題についての具体的なお話、ありがとうございました。

<スピーカー>

花王株式会社
会計財務部門 管理部 管理会計グループ
中小企業診断士
照沼 秀晃 氏

ブラックライン株式会社
アプリケーションサポートアナリスト
樽田 光弘

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