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メンバーの理解とデータ自動連携で常時改善の体制へ。在宅決算を3カ月で実現した舞台裏に迫る

「Beyond The Black TOKYO 2020」レポート 株式会社セゾン情報システムズ様

データ連携やデータマネジメントソリューション、流通ITサービス、ファイナンシャルITサービスを展開する株式会社セゾン情報システムズ。従来、紙とExcel、メールで行われた社内業務を、さまざまなクラウドサービスの導入をすることで業務効率の改善を実現している。2019年にBlackLineを3ヶ月という短期間で導入した背景について、同社の「モダンファイナンスプロジェクト」のメンバーが語った。

クラウド化・自動化を推進する中、「モダンファイナンスプロジェクト」が発足

株式会社セゾン情報システムズのクラウド活用によるデジタルトランスフォーメーション(DX)は、2014年に導入した旅費・経費精算システムを皮切りに、Office、経営情報、人事情報と進んできた。そして2019年、決算・経理業務のクラウド化にBlackLineを選択した。

一連の財務経理プロセスの刷新は、「モダンファイナンスプロジェクト」と称し、登壇した経営推進部財務経理チームの浅川真司 氏は、そのプロジェクトリーダーだ。

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モダンファイナンスプロジェクトを開始した2019年7月ごろ、財務経理部門では採用や教育面など人材不足に悩まされていた。また社内的な在宅勤務の推進があったものの、紙書類による業務の影響で、出社せざるを得ない状況が続いていた。さらに、会計ルールの変化や法改正、基幹システムの保守期限が迫るなど課題もあった。

こうした課題に対し、モダンファイナンスプロジェクトでは「桁違いの効率化」「ペーパーレス化への完全実施、どこでも働ける環境」「リソースを企業価値向上へ」といったチャレンジテーマを掲げた。伝票確認やファイリングなどの業務を自動化し、業務負担を減らす代わりに管理会計や財務企画、現場の支援等の戦略的な方へリソース割り当てるのが狙いだ。

2019年7月から採用するツールの選定を行い、9月にBlackLineの導入を決定。3ヶ月間での運用開始を目標とし12月時四半期決算から利用を開始した。2020年3月の期末決算ではコロナ禍のなかで出社できない状況でも在宅で決算処理を実現、2020年5月からは月次での残高確認もおこなっている。

ファイリング不要、テレワーク可能!経理財務部門のメンバーにメリットを伝える

3ヶ月という短期導入を実現するためにまず浅川氏がおこなったことは、実際に支払いや入金などルーティン業務に追われる財務経理部のメンバーの協力を得ること。BlackLine導入で期待できる効果について1on1ミーティングを行い、業務掘り下げの勉強会も実施した。

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BlackLine導入以前は、担当者、承認者、確認者の間で紙の書類が移動し、ファイリングされた資料は倉庫で保管。必要に応じて倉庫から書類を取り寄せることもあった。浅川氏は「BlackLine導入によってファイリングは不要となり、テレワークも可能、倉庫から取り寄せも必要なくなるなどのメリットを示したのは、効果的でした」と説明した。

まずは早期導入、その後の最適化で業務量を大幅削減

BlackLineを3ヶ月間で運用開始するという目標を掲げたモダンファイナンスプロジェクトでは、既存の勘定科目の照合手順を最適化するなどは行わず、早期運用を優先した。それでも決算タスクの可視化や情報の一限管理、従来は四半期で数百件あった捺印の件数が0件、年間6400枚相当の紙の削減が見込めるなど多くの効果を得られた。

導入当初に見送っていた最適化は、PDCAサイクルによって継続的に改革を実施され、四半期ごとに工数削減ができているという。この成功体験によって社員の意欲が高まり、情報可視化による問題点の把握、BlackLineの習熟度アップと、スムーズに改善ができる体制が整った。

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浅川氏は「BlackLineは導入して終わりではなく、改善を重ねていくことで効果が高まるシステムです。まずはスモールスタートで導入するのをお勧めしたい」とアピールした。

データ連携ツール活用で、わずか1週間で残高確認業務が可能に

続いて登壇したのは、リンケージビジネスユニット リンケージクラウド部の吉田 愛 氏。技術面をサポートするべくモダンファイナンスプロジェクトに参画したメンバーである。

吉田氏は、BlackLineはデータ連携によって効果を発揮するシステムであり、新しい働き方、新しい世界、短期導入、統制強化、在宅決算、効率化はデータ連携なしには達成できないと述べた。

BlackLineで勘定照合(残高確認業務)を行うには、社内のERPシステムにあるデータをBlackLineが認識できる形式にする必要がある。そこで効果を発揮したのが同社製品の「DataSpider Servista」。これは、ノンプログラミングでシステムやサービス間のデータ連携・自動化ができるツールで、BlackLine連携に活用することで、同社の残高確認業務を1週間で実現したという。しかも毎日人の手を介さず自動的に連携が行われるようになった。

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業務効率化にとって重要な自動データ連携

吉田氏は短期導入によって、財務経理部門の方々にBlackLineの核となる部分に力を注いでもらうことができたとし、「業務の効率化、統制強化においてデータ連携は重要です。手動で連携すればいいという考え方もありますが、人の手を介する場合、単純作業による意欲の低下やミスの発生、データの信頼性の問題があるのです」と、自動連携のメリットを強調した。

DataSpider Servistaは、ERPだけでなく、すでに導入済みの経費精算クラウドをはじめとする様々なシステム・サービスと連携できる。BlackLineを活用した決算自動化・リモート決算実現にも、ERP以外のシステム・サービスとの連携は欠かせない。また吉田氏は、保守期限が近づいており、今後刷新をおこなう必要のあるERPの移行をスムーズに行うためにも、前もってBlackLineと連携しておくことは有効だとした。

最後に吉田氏は、BlackLine導入とあわせて、DataSpider Servistaなどのツールを使った自動連携を合わせて検討して欲しいと述べ、同社が提供する「BlackLineリンケージサービス」を紹介し、講演を終えた。

BlackLineリンケージサービス
https://home.saison.co.jp/products/linkage/blackline/

<登壇者>

20201007-blog-img-09.jpg株式会社セゾン情報システムズ 
経営推進部財務経理チーム 
浅川 真司 氏

20201007-blog-img-10.jpg株式会社セゾン情報システムズ 
リンケージビジネスユニット リンケージクラウド部
クラウドサービス第一チーム
吉田 愛 氏

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