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財務・会計用語集

Record-to-Report(R2R:記録から報告まで)

Record-to-Reportとは?

Record-to-Report (以下、R2R)は、企業の取引や活動のデータを収集して会計帳簿に記帳し、経営者や投資家などのステークホルダーに対して財務諸表やその他の経営情報を提供する一連のプロセスを指します。

R2Rは、企業の経営状態を健全にするために必要不可欠です。R2Rを実施するには、タイムリーで正確なデータを入手し、そのデータを使って高度な評価の参考になる文書を作成する必要があります。この評価は戦略的思考や意思決定の裏づけとなり、ステークホルダーは、こうした評価に基づき事業経営とその成果を詳細に分析できます。

R2Rにはどんなプロセスがありますか?

R2Rは企業会計の体系的なアプローチで、このサイクルが完了するまでには多くのステップや処理が実行されます。最初のステップは全ての取引の記録であり、これがR2Rの土台になるため、全取引を速やかに正確に記録する必要があります。企業の会計業務がきちんと整備されていれば、R2Rのアウトプットは信頼できる会計データによって裏づけられます。

R2Rは通常、月次、四半期毎、年次などの定期的な決算サイクルも含まれます。決算を実施するために、経理財務部門は全ての会計データのチェック、記録、照合を行って、当期のデータの正確性を確認します。続いて、仮勘定の整理などの決算整理仕訳の入力や、関係会社間取引の相殺消去などが行われます。決算を行うことで、企業は特定の期間の財務活動を追跡することができます。これによって会計処理の統制を確保し、経理財務部門は異なる報告期間を比較し、差異や傾向を評価・分析することが可能になります。

データの正確性を確認した次のステップとして、目的に応じて多くのレポートが作成されます。決算においては貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などの財務諸表を含む決算報告書が作成され、社内の経営会議用には業績評価や将来予測のための様々なレポートが作成されます。

FAQ(よくある質問)

Record-to-ReportR2R)には、どんな課題がありますか?

R2Rは企業経営において欠かすことのできない極めて重要なプロセスです。
2000年代以降、ERPシステムが広く浸透し、ERPシステムを会計や販売管理、購買管理なども含めた基幹システムとして導入した企業では、業務データと会計データがトランザクションレベルでリアルタイムに統合し、会計データの入手スピードと精度が大きく向上しました。ERPシステムを親会社だけでなくグループ会社にも広く導入した企業では、グループの会計データの標準化が促進され、連結決算の早期化や連結経営情報の精度向上に一定の成果を上げることができました。

しかし、多くの企業の経理の現場では、データの検証(照合)やレポートの作成の多くを手作業に依存し、決算期間中の長時間残業も解消されたとは言えません。また、従来の決算情報、経営情報に加えて、人的資本などの非財務資本の評価や分析、開示などの新しい経営情報の報告も求められています。とはいえ、今日のデジタル世界には、企業のR2Rをより効率的にする様々なソリューションがあります。高度なソフトウェアプラットフォームを使って、R2Rに伴う課題の多くを克服することができます。

効率的なR2Rプロセスには、どんなメリットがありますか?

デジタルソリューションを活用したR2Rプロセスの効率化は、企業に多くのメリットをもたらします。

・決算を含む経営情報の早期化
・経営情報の信頼性の向上
・決算期間中の残業時間の削減
・法規制の改正への迅速な対応
・新しい経営情報の要請への柔軟な対応

従来のR2Rプロセスで手作業に依存していた部分をデジタル化することで処理速度の大幅な向上と、処理漏れや誤処理などのヒューマンエラーが解消されます。そして従来プロセスで“作業”に充てられていた経理財務のリソースを、分析や評価、プロセスの改善、新しい経営ニーズや法規制への対応に振向けることが可能になり、経理財務部門の付加価値とエンゲージメントの向上が期待されます。

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