財務諸表
財務諸表とは?
財務諸表とは、企業の一定期間内の財務状況や経営成績を示す複数の書類で、一般的に、月次、四半期毎、年次など特定の期間を対象として作成されます。経営者は自社の適切な経営判断を下すために、株主や投資家はその企業の株式を購入すべきかどうかを判断するために財務諸表を利用します。
財務諸表にはどんな種類があるか?
企業経営は多くの要素を含むため、財務諸表にも様々な種類があります。それぞれ、企業財務の特定の側面を詳しく説明するもので、IFRSや日本基準など、会計基準よって表示項目の並びや集計項目に若干の違いがあります。
貸借対照表(バランスシート)
貸借対照表は、ある時点で企業が保有する資産や負債の状況を示し、資本、負債、純資産に区分して表現されます。この3つの要素は、必ず 資産=負債+資本(純資産) でバランスしており、企業がどのように資金を調達し、運用しているかを確認することができます。
資産は、企業が所有する金銭的価値を持つ全ての物を指します。これには、現預金、売掛金、在庫、土地、設備、機械、商標など幅広い資産を含みます。資産は、流動資産と非流動資産に分類されます。流動資産は通常1年以内の短期間に現金化することができる資産で、非流動資産は1年以内に換金できない資産です。
負債は、企業が他の企業または個人に対して負う全ての債務です。資産と同様、買掛金や借入金、未払金など多くの種類があります。
資本(純資産)とは資産総額から負債総額を引いた残りの額です。
大部分が株主資本であるため、株主資本や自己資本とも呼ばれることもありますが、正しは 「 資本(純資産) ≧ 自己資本 ≧ 株主資本」となります。
- 株主資本 = 資本金 + 資本剰余金 + 利益剰余金
- 自己資本 = 株主資本 + その他包括利益累計額
- 資本(純資産) = 自己資本 + 新株予約権 + 非支配株主持分
損益計算書
損益計算書は、会計期間内に企業がどんな活動によって、どれだけ利益(もしくは損失)を計上したかを示す書類で、収益、費用、利益(損失)の3つの要素で表現されます。
企業の最終的な利益を算出する最初のステップは粗利益の計算です。総売上利益から、いわゆる売上原価を引くと粗利益が出ます。売上原価とは、企業が販売する製品・サービスを製造するために必要とする労働力や原材料の実際の価格を指します。
次に粗利益から、賃料、設備、マーケティング、備品などの営業経費を差し引きます。税金や利息などのその他経費も差し引くと、純利益が算出されます。
キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書は、現預金の動きにのみ着目し、会計期間内においてどんな活動でお金が入り、どんな活動でお金が出て行ったかがを示す計算書類で、企業が現金を生み出す能力を検証します。
どんな企業も事業を営むには現金が必要であるため、キャッシュフローは重要な要素であり、企業の現金創出力には、その企業の総合的な健全性や存続可能性が反映されます。
キャッシュフロー計算書には、売掛金、買掛金、在庫、未収収益、純利益など、現金に影響するあらゆる財務活動が記載されます。キャッシュフロー計算書の情報は、基本的に次の3項目に分けて整理されます。
- 営業活動によるキャッシュフロー:
企業本来の営業活動である売上や仕入、その他の経費支出による現預金の増減を各項目別に示します。 - 投資活動によるキャッシュフロー:
不動産、工場、備品などの固定資産の取得や売却、有価証券の取得や売却など、将来の事業利益の獲得や資産運用による投資利益の獲得を目的として現預金の増減を示します。 - 財務活動によるキャッシュフロー:
銀行からの借入や返済、株式・債券の発行、配当の支払など、企業の営業活動や投資活動のための資金調達に関わる全ての取引を含みます。
株主資本等変動計算書
株主資本等変動計算書は、会計期間内における資本(純資産)の変動額と変動事由を一覧にした書類です。
資産(純資産)のうち、株主資本については、資本金、資本剰余金、利益剰余金、自己株式の変動額を変動事由ごとに記載し、株主資本以外の項目(評価・換算差額等、新株予約権、少数株主持分)は、変動事由ごとに記載する必要はなく、変動額の純額のみを記載することができます。
FAQ(よくある質問)
財務諸表はなぜ重要なのですか?
財務諸表は、企業の財務状況について必要かつ詳細な情報を提供します。この情報は、経営者、投資家、金融機関、株主など、企業の様々なステークホルダーにとって極めて重要です。
貸借対照表からは、企業の資産と純資産に関して重要な洞察を得ることができます。
損益計算書は、営業活動にかかる経費の内容や損益の大小の要因を明らかにします。
キャッシュフロー計算書からは、重要な事業を維持するために十分な現金を持っているかどうかがわかります。
最後に株主資本等変動計算書は、株主が企業における自身の持ち高を評価するために必要となる、重要な情報を提供します。
財務諸表のそれぞれの計算書類は相互に関連していますか?
各財務諸表は互いに独立していますが、その内容は連動しています。例えば、キャッシュフロー計算書の期末残高は、貸借対照表では現預金(資産項目)として記載されます。また、損益計算書の純利益は、キャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフローの算出に使用されます。
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