経理・決算業務に特化したタスク管理システム
タスク管理とは何か
タスク管理とは、業務を小さな作業単位に分解し、作業の順序やスケジュールを明確にし、作業のボリュームや進捗を管理することです。コロナ禍で在宅ワーク・リモートワークが広がり、リモート環境での同僚のタスクの進捗状況の把握や、自身のタスクの進捗管理などの必要性が高まる中で、タスク管理のツールが注目されるようになりました。
また、近年、経理人材の流動化（他部門への異動や転職）が進む中、属人化しやすい経理業務のノウハウを可視化し、標準化することで、業務を引継ぐ際の混乱を最小化し、持続可能性のある経理組織を構築するという観点からも、タスク管理に対するニーズが高まっています。
経理業務のために開発されたタスク管理
タスク管理のツールにはPCなどにダウンロードして使うものやクラウドサービスなど、様々なソフトウェアがありますが、その中で経理業務を想定して開発されたのがBlackLineです。
BlackLineには経理業務のタスク管理に必要な機能要件や非機能要件が盛り込まれているため、経理ユーザーにとってうれしい以下のような特徴があります。
- 導入が容易 ＝ IT部門の手を煩わすことなく、経理ユーザーが主導で導入
- 定着も容易 ＝ 業務の目的を理解しているベテランほど、すぐに馴染み、効果を実感
- 導入後の拡張も容易 ＝ 導入後の設定変更や拡張も経理ユーザー主導での実施が可能
※関連ブログ：タスク管理ソリューション選択において想定すべき最重要リスクとは
なぜ、経理業務にタスク管理のツールが必要か
日常の経理業務のスケジュール管理にOutlookの予定表などの汎用的なスケジュール管理のソフトを使い、決算などの特定の業務の進捗管理としてExcelが使われるケースが少なくありません。しかし、OutlookやExcelでは使い方に個人差があり、共有される情報のリアルタイム性やバージョン管理に難があるなど、組織としての仕事を管理するには十分とは言えません。また、経理の仕事は正確性と納期の厳守がシビアに要求され、内部統制も担保されていなければなりません。
経理業務向けに開発されたタスク管理ツールは、こうした経理業務に必要な要件を備えており、オフィスソフトにはない以下のようなメリットを享受することができます。
可視化
組織のメンバー全員がタスクのスケジュールを共有し、進捗状況をリアルタイムに把握することができます。マネージャーは全体をバランスよく管理し、各担当者は全体の進捗をメンバーと共有しながら自分が担当するタスクを進めることで、状況に応じた業務の優先順位付けやコミュニケーションコストの削減が可能になります。また、各担当者の負荷状況の可視化は、ボトルネックの解消にも寄与します。
標準化
各タスクには作業の手順や必要な情報を登録することで暗黙知が形式知として共有され、業務の標準化が促進されます。
統制の強化
各タスクの処理手順の標準化、タスクの処理漏れや承認漏れの防止、業務ログ／承認ログの自動登録などにより、経理業務の統制が強化されます。
効率化
業務の全体像と進捗状況がリアルタイムに可視化されることで、マネジメント業務は大幅に効率化されます。また、個々のタスクの処理においても関連するタスクの進捗の可視化による待ち時間の解消や、タスクに必要な情報の取得が容易になるなど、効率化を実現することができます。
経理業務におけるタスク管理の活用シーン
１）決算（単体・連結）
経理の中でタスク管理が最も効果を発揮する業務として「決算」があげられます。
言うまでもありませんが、決算では限られた期間の中に数多くのタスクが順序立てて進められるため、進捗管理が非常に重要です。業務に必要な情報も多岐にわたり、それらを効率的に管理する必要がありますし、内部統制の担保も必須です。
コロナ禍で多くの企業がリモートでの決算を余儀なくされましたが、クラウド環境でタスクや関連情報を一元管理するBlackLineのタスク管理は効果を発揮します。
また、連結決算においては連結決算タスクの一元管理の他、各グループ会社の決算業務進捗管理、連結パッケージの収集等をすることが出来ます。BlackLine上でグループ全体の決算タスクの進捗状況の確認から、各タスクへのコメントや証憑・証跡の添付や、タスク上での連結パッケージのやり取りを行うことが出来ます。その上、担当者、承認者、レビュアーを割り当てたワークフロー機能も備えているため、内部統制においても効果的です。
※関連ブログ：連結システムと何が違うのか？BlackLineで連結業務が変わる3つのポイント
２）会計監査
会計監査にBlackLineのタスク管理を活用することで、以下のような効果が期待されます。
- 監査人も企業側の担当者も、クラウド上に一元管理された情報にアクセスすることで、場所を選ばず、リモートで会計監査を進めることができます
- 監査人からの依頼事項に対しては、回答に必要な情報を効率的に用意することができ、監査人が自ら必要な情報にアクセスすることで、追加的な資料提供を最小限に抑えることができます
- 業務ログや承認ログの管理は、監査人に提供するデータや関連資料の信頼性や有用性を高めます
- 過去データを含めた情報提供は、不要な質疑応答の抑制にもながります
３）業務改善
現行の業務プロセスをクラウド環境に定義し、情報を一元管理することで、経理担当者の誰もがプロセス全体を見ることができるようになります。また、実際のタスク作業時間、予測時間との差異、担当者ごとの業務負荷など、業務改善に必要不可欠な現状データが、BlackLine上で行っている決算業務の実施結果としてシステム内に“利用可能な”データとして残っていきます。そのため、レポート機能からボタン一つで入手し、ボトルネックも自動で特定されます。各タスクの担当者ごとの業務負荷やタスク完了日に関するデータをわざわざ集めたり、分析用の資料を作る必要はなく、どこをどう改善するかを検討するところから、改善活動を始めることができます。
※関連記事：決算の業務効率を劇的に改善するタスク管理手法とは
タスク管理以外にも経理に役立つ様々な機能を用意
この記事ではBlackLineのタスク管理を中心にご紹介しましたが、BlackLineにはタスク管理以外にも経理業務に役立つ様々な機能が用意されており、現場の課題に合わせた部分導入や機能拡張が可能です。
BlackLineを導入されているお客様の多くが、タスク管理をベースに業務の可視化や標準化で業務変革の土台を整え、その後の自動化による大幅な効率化や、グループレベルでの標準化や統制強化へと段階的な展開を計画されています。
弊社ホームページではBlackLineを活用した各社の取組を紹介していますので、ぜひご覧ください。
導入事例：https://www.blackline.jp/customers/
＜BlackLineのモジュール一覧＞
さいごに
コロナ禍でリモートワークを余儀なくされた企業の経理財務部門の多くが、これまでの仕事の進め方は持続可能ではないと考えるようになりました。また、経理人材の流動化によって、業務ノウハウの継承に危機感を感じている方も少なくありません。
BlackLineは、簡単に始めることが出来て、定着化も容易で、拡張も容易な、経理業務のために開発されたソリューションです。
今の経理業務の進め方に課題や危機感を感じている方、そうは言っても日常業務の忙しさに変化をためらっている方も、ぜひ、弊社にお問い合わせください。国内外4,200社での経験が培った経理の仕事の進め方を変革し、大幅な効率化を実現するノウハウが、みなさまをお待ちしています。
＜ライター＞
ブラックライン株式会社
ファイナンシャルエキスパート
屋形 俊哉