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財務・会計用語集

ファイナンシャルオペレーション(Financial Operations)

ファイナンシャルオペレーションとは?

ファイナンシャルオペレーション(Financial Operations)という単語を日本語に直訳すると財務業務となりますが、ファイナンシャルオペレーションは単に経理財務部門の業務という意味ではありません。オペレーションという言葉には作業や作戦、機械などの操作、作戦といった複数の意味があり、ビジネスにおいては業務フローや、業務フローの中での個々の作業や仕事の進め方のことを指します。

経理財務部門の業務というと、日々の現預金の出納業務や資金繰りの管理、決算や税務申告、資金の調達や運用などがありますが、ファイナンシャルオペレーションとは、それぞれの業務をどんな手順で、どんなツールを使って実施しているか(手作業を含めて)ということを意味します。以下のA,Bの2つのオペレーションは、いずれも取引先からの請求書をもとに未払費用を計上する処理ですが、作業内容は大きく異なります。

A)請求書(紙)をもとに未払費用の計上伝票を作成し、承認(押印)後に会計帳簿に記入する
B)請求データを会計システムに取り込み、未払費用の計上伝票を自動生成し、承認(電子承認)後に自動記帳される

何十年も昔、企業の経理財務部門のオペレーションは紙(伝票や帳簿)をベースに手作業で行われていました。近年ではほとんどの企業が会計システムやERPシステムを導入し、会計帳簿や会計データは電子化されましたが、紙の帳票も手作業も多く残っており、未払費用の計上を例にしても、会計帳簿こそ会計システムに変わったものの、伝票の入力先が紙の帳簿から会計システムに変わった以外、Aのオペレーションと何ら変わりないというケースは少なくありません。

ファイナンシャルオペレーションが注目されている理由は?

これまで、企業は会計制の変更や法改正対応、経営情報のスピード化などを目的に、経理財務に関連して様々なシステム(会計システム、固定資産管理システム、ERPシステム、連結会計システム、ビジネスインテリジェンス、etc.)を導入し、決算の早期化や間接部門のスリム化など、一定の効果を上げてきました。

一方で、システムが変わってシステムの中のデータの精度や処理速度が向上しても、システムの周辺には依然として手作業が多く残り、特に決算期間中の長時間残業は今も昔も変わらぬ経理財務の年中行事でした。

しかし、2019年末からの新型コロナウイルスの感染拡大によって、紙とスプレッドシートを多用し、個人のノウハウやスキルに頼った従来のオペレーション(仕事の進め方)の問題点が一気に顕在化し、ファイナンシャルオペレーションの巧拙が企業の競争力だけでなく、企業の存続性にも関わりかねないテーマとして注目されるようになりました。

FAQ(よくある質問)

ファイナンシャルオペレーションに関連する用語にどんなものがありますか?

オペレーションマネジメント
業務やプロジェクト上の目標を達成するために、オペレーションを管理すること。業務の実行部分の管理、業務フローや実施方法の設計、複数部門にまたがる広い範囲での管理など、用途や目的に応じてマネジメントの範囲は様々です。

オペレーショナルエクセレンス
マイケル・トレーシーとフレッド・ウィアセーマというUSの経営コンサルタントによる著書『ナンバーワン企業の法則 – 勝者が選んだポジショニング』の中で、優良企業の価値基準として2つ挙げている中のひとつ。「業務改善プロセスが現場に定着し、業務オペレーションが磨きあげられ、競争上の優位性にまでなっている状態。」標準化されたオペレーションの品質が競合他社よりも優れている状態とも言えます。

・オペレーショントランスフォーメーション
経営課題を解決し、企業の競争力とレジリエンスを向上させるために、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、オペレーションを変革すること。事業環境の変化のスピードもブレ幅も大きい今日において、オペレーションマネジメントにおいて成果を出し、オペレーショナルエクセレンスの域に達するにはオペレーショントランスフォーメーションは必須と言えます。

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