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財務・会計用語集

売掛金

売掛金とは?

売掛金とは、顧客に商品やサービスを販売した対価として、将来的に金銭を受け取る権利を指します。この場合、顧客は、商品やサービスの受け取った時点では代金を支払っていません。企業は支払までの猶予期間を設定し、取引後のどこかの時点でその代金を受け取ります。

支払義務を負う顧客側では、この取引は買掛金として記帳されます。売掛金と買掛金は、同じ取引を反対の立場から表現したものです。取引の両当事者は会計帳簿を共有していませんが、当然、同じ金額が計上されているはずです。

例えば、A社が100ドルの商品を販売した際の売掛金(支払われるべき金額)は、B社から見れば同じ金額の買掛金(支払うべき金額)になります。後日、B社から支払が行われると、A社は100ドルを受取り、当該取引の売掛金の残高はゼロに、B社には商品の代価としての100ドルの買掛金もゼロになります。

売掛金は重要な会計指標であり、その企業が保有する換金性の高い資産で、顧客が支払を行うことで、近い将来に現金を入手できる財源ともいえます。同様に、企業が売上を現金化する能力を測定する基準にもなります。売掛金の回収が滞っている場合、その企業は不良債権を抱えていることになります。

売掛金は一般的に1か月から3か月で回収されることが多いため、1年以内に現金化可能な資産として流動資産(もしくは短期資産)に分類されます。

顧客の支払期間を延長することで、企業は信頼と誠意を示すことができます。これにより顧客基盤を拡大し、より多くの収益を生み出す可能性があります。一方で、代金を払おうとしない顧客によって不良債権が発生する可能性もあります。このように売掛金は投資に似ているところがあり、見返りだけでなくリスクも伴います。

売掛金のどのように計上されるか?

売掛金記帳の最初のステップは請求書の作成です。請求書は、取引の詳細を記録するために企業が作成する文書です。記載内容は、企業と顧客のどちらにも極めて重要であり、以下のような取引に関連する重要な情報の全てが記録されています。

・商品やサービスを提供する会社または部署の名称
・商品またはサービスの受取人
・提供される商品またはサービスの詳細
・提供された日付
・提供された数量
・価格

請求書には取引の支払条件に関する重要な詳細も含まれます。請求書の作成後、企業はその処理状況を把握し、顧客が支払義務を果たしたかどうかを確認する必要があります。

請求書に基づいて、取引が会計帳簿に記帳されます。売掛金取引は一般的に、総勘定元帳の補助元帳にも記帳されます。補助元帳上の全ての取引は、いわゆる統制勘定として、総勘定元帳に記帳されます。

統制勘定は、総勘定元帳に設けられた集計勘定であり、補助元帳で管理されている勘定科目の取引明細の集計値が記帳されます。統制勘定を用いることで、総勘定元帳が細かい情報で溢れ返ることを防いでおり、売掛金はその最たるものと言えます。

売掛金の取引を仕訳入力する際、元帳の借方に資産として記帳され、貸方に収益が記帳されます。顧客から入金があると、借方に現金を計上し、貸方に売掛金を計上することで、当該取引に関する売掛金勘定はゼロになります。

よくあるご質問

売掛金に関連する指標はありますか?

売掛金は様々な手法で企業の業績を測定するために用いられます。

売上債権回転率は、売上債権に占める売上の割合を測定するもので、計算式は以下の通りです。

売上債権回転率 = 売上高 ÷ 売上債権(※)

回転率が高いほど、売掛金が効率的に回収できていることを示し、企業にとって好ましい兆候です。
※売上債権=売掛金+受取手形

売上債権回転日数は、売上債権を何日で回収できるかを示す指標で、計算式は以下の通りです。
 売上債権回転日数 = 売上債権 ÷(売上高 ÷ 365日)
回転日数が少ないほど、早期に売掛金を回収できていることを示します。月によって売上高にばらつきがある場合は、平均売上債権残高を使用します。

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