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財務・会計用語集

モダンアカウンティング

モダンアカウンティングとは?

モダンアカウンティングとは、テクノロジーやソフトウェアを活用して、従来の会計システムや会計手法を変革した会計処理のことで、“オートメーション”、“コンティニュアスアカウンティング”、“統一されたプロセスへの移行”の3つの要素で、手作業に大きく依存する経理業務を改善・改革します。モダンアカウンティングは、経理財務部門のリソースをスコアキーパーからビジネスパートナーへとシフトさせ、企業競争力の強化と従業員満足度の向上に貢献します。

伝統的な会計処理は数千年前から行われてきました。時とともに進化してきたものの、複式簿記などの基本的な考え方自体は、何世紀も前から変わっていません。モダンアカウンティングにおいても、会計の基本となる原則や考え方は変わりません。ただし、会計データの把握、処理、検証の方法は大きく変化しています。高度なデジタル機能と統合ソフトウェアを使い、最大限の効率性と正確性を実現します。

モダンアカウンティングの仕組みは?

モダンアカウンティングは、数多くの高度なテクノロジーを用いて、従来の会計機能をテジタル統合システムへと変革します。

人工知能(AI):
AIを活用することで領収書や請求書、買掛金の仕入仕訳などのデータの入力や照合といった会計処理を実行し、経費精算の際には企業ポリシーを遵守されているかチェックすることができます。AIは、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)と違い、ソフトウェアが“学習”し、処理するデータから独自のロジックを編み出すため、効率性と正確性が向上し、時間の経過とともにプロセスを改善することができます。

クラウドコンピューティング
モダンアカウンティングは、クラウドコンピューティングを活用してインターネット上のサーバにデータを一元管理し、どこからでもデータにアクセスすることができます。クラウドコンピューティングでは、会計データは従業員のパソコンではなく、誰もがアクセスできる一元化された場所に保管されます。これにより、複数のアプリケーションとデータソースがシームレスに統合し、経理部門の業務を統合することができ、会計データへのアクセスと処理にかかる時間が短縮します。

データ入力のデジタル化
従来の会計システムでは、会計データをシステムに“入力する”ことが必要です。過去においては、会計データは紙の元帳に記帳されていました。コンピュータやスプレッドシートが誕生してからも、経理担当者は、領収書、請求書、支払手形、経費報告書など、企業の財務活動を記録した様々な証憑や関連文書をもとに、会計データを手作業で入力しなければなりません。モダンアカウンティングは、デジタルアプリケーションが、これらの証憑や関連情報からデータを取得して、一元化されたデータベースに自動連携することで、手作業によるデータ入力を削減します。

機械学習
モダンアカウンティングの大きな特徴として機械学習があります。機械学習とは、プログラムを使って、コンピュータに人間のように学習させるプロセスのことで、アルゴリズムと言われる手順や計算方法を通じて行われます。機械学習に使われるプログラムは、予測と意思決定によって、処理効率を改善することができます。

リアルタイム統合
モダンアカウンティングは、情報の入力と処理にかかる時間を大幅に短縮します。同一のプラットフォーム上にある複数のソフトウェアプログラムが連携し、ほぼ即座に情報を処理し適用できることから、これをリアルタイム統合と言います。従来の会計システムでは、まず人間が情報を集めて入力し、データを抽出して、他のプログラムに適用するか、手作業で計算を行います。会計処理の自動化によって、人間がこうした処理を行う必要はなくなり、処理時間を大幅に短縮し、正確性を劇的に向上させることができます。

ロボティック・プロセス・オートメーション:(RPA)
RPAは、並べ替え、データ挿入、フォーム入力、文字やデータの解釈といった反復作業を実行するモダンアカウンティングの自動処理法のひとつです。AIと異なり、学習機能はありませんが、代わりに構造化されたデータとルールに従います。処理時間を大幅に短縮し、時間がかかる反復作業を自動化することで、経理担当者は手作業から解放され、他の業務を行う余裕が生まれます。

FAQ(よくある質問)

モダンアカウンティングの特長は何ですか?

モダンアカウンティングの特長として、コンティニュアスアカウンティング(Continuous Accounting)とバーチャル決算(Virtual Close)の2つがあります。

コンティニュアスアカウンティングとは、デジタルテクノロジーを駆使して企業の財務活動のすべてを記録し、モニタリングを行う最新の会計プロセスです。あらゆる会計処理が、決算を待たずリアルタイムで継続的に行われます。これにより、経営者は従来の決算期という固定的なスケジュールと比べて、経営状況をリアルタイムで把握できるようになり、経理担当者も決算期に集中していた高負荷の業務が平準化されます。

バーチャル決算とは、企業がいつでも正確な財務諸表を作成可能な、完全に自動化された統合的なデジタル会計システムです。バーチャル決算の導入によって、企業は会計プロセスの自動化を全面的に受け入れ、完全なデジタルアプローチを手に入れます。全ての経理処理が、同じデータ入力のパラメーターと報告ルールに従って、共通の会計プラットフォームで運用され、企業は、経理財務の全要素をリアルタイムで監視し、いつでも効果的に決算を行うことができます。

モダンアカウンティングのメリットは何ですか?

これまで企業が会計プロセスにソフトウェアを活用する場合、現行のプロセスの特定の部分にアプリケーションを適用し、経理処理の改善と効率化を図ってきました。人間が手作業で行っていた処理を、コンピュータは瞬時に実行できます。時間のかかる、退屈で定期的な反復作業をデジタル化することで、会計処理を大幅にスピードアップさせてきました。

モダンアカウンティングはビジネスプロセス全体を改善します。リアルタイム会計によって、企業の業績を正確に早期に把握し、経理財務部門は分析や戦略的評価など、より高度な業務にリソースをシフトさせ、経営者は最新の情報に基づいた意思決定を迅速に行うことができます。また、企業価値を向上させることに貢献することができます。

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