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財務・会計用語集

会社間照合

会社間照合とは?

会社間照合は、グループ企業において連結ベースでの財務諸表を作成する際に、グループ会社間の取引を照合し、相殺消去する業務のことを言い、通常は連結決算の業務プロセスのひとつとして、親会社の経理財務部門で実施されます。連結決算のおおまかな手順は以下の通りです。

1)グループ会社から各社の財務諸表および関連データを収集する
2)親会社を含むグループ会社の財務諸表を合算する
3)グループ会社間の債権債務や取引高の消去、棚卸資産に含まれる未実現利益の消去、親会社の投資額と子会社の資本金の消去等の連結調整作業を行う
4)連結財務諸表を作成する

会社間照合は上記3の連結調整作業のひとつとして実施されます。
たとえば、親会社が生産子会社から100万円の製品を仕入れて120万円で顧客に販売した場合、親会社に売上120万円と子会社に売上100万円が計上されます。これを単純合算すると売上220万円となりますが、このうちの子会社から親会社に対する売上100万円は連結グループ内の売上ですので、連結損益計算書の作成に当たっては連結調整しなければなりません。このケースでは、子会社の売上と親会社の仕入を相殺します。

また、この親子間の取引では親会社に売掛金120万円と買掛金100万円、子会社に売掛金100万円が計上されており、連結決算時に未決済の場合、単純合算すると売掛金が220万円となりますが、子会社の売掛金はグループ内取引によるものなので、売上と同様に連結調整を行います。このケースでは子会社の売掛金と親会社の買掛金を相殺します。

会社間照合は、どのように実施されるか?

会社間照合の手順について、親会社Aの子会社Bからの仕入れ取引における債権債務の照合を例に説明します。

1)A社とB社の債権債務の残高データを収集する
2)各社の債権債務残高の中からグループ会社に対する債権債務データを抽出する
  ① A社の買掛金残高からB社に対する買掛金残高を抽出
  ② B社の売掛金残高からA社に対する売掛金残高を抽出
3)上記①と②を照合し、残高が一致する場合は消去する。
4)①と②の残高が一致しない場合
 ・各社の債権債務の明細データを収集して突合し、不整合データを特定する
 ・必要に応じて子会社に問合せし、調査を依頼
 ・どちらかの残高を修正する等、調査結果に応じた処置を講じる

グループ会社の数や取引の内容、サプライチェーンの複雑さなどによって差がありますが、グループ会社間の取引はデータ量が膨大で不整合も少なくないため、多くのグループ企業の経理財務部門において会社間照合の効率化は大きな課題となっています。

FAQ(よくある質問)

会社間取引が不整合にはる原因に、どんなものがありますか?

グループ会社間の取引が不整合になる原因として以下のようなものがあげられます。
・各社の伝票処理のタイミングのズレ、処理漏れ、価格の誤りなどの人為的なミス
・取引データを処理する各社のシステムがバラバラで、システム間のデータ連携の不備や処理タイミングのズレなどによるシステム的な要因
・輸出入のように輸送期間が長い場合の輸送期間中の商品の帰属や各社での計上タイミングなどルールの不備

また、各社の勘定科目の体系や取引先などのコード体系がグループで共通化されていないと、照合作業自体が非常に煩雑なものになってしまいます。さらに明細データの突合を効率的に実施するには、金額や日付以外に請求書番号などの突合のキーとなる情報の整備も重要になります。

会社間取引照合を効率化するにはどうすればよいですか?

ほとんどの企業が会社間取引照合に苦労していますが、効率的に実施している企業もあります。以下にそのポイントを3つ、ご紹介します。
1)ルールやコード体系の整備による取引データの標準化
 勘定科目の考え方、残高照合や明細突合のキーとなる項目のコード体系の整備、会社間取引の計上ルール(例.出荷基準か着荷基準か)などはシステム化の場合はもちろんのこと、Excel等を使って手作業で照合業務を行う場合においても効率化の必須条件です。

2)デジタルテクノロジーを活用した取引データの一元管理と照合処理の自動化
 グループ共通ERPシステムにおけるデータの標準化と一元管理は、照合業務や突合業務の自動化だけでなく、不整合時の原因調査を効率的に行う上でも極めて有効です。また、関係会社間取引管理のプラットフォームという新しい概念のデジタルテクノロジーもあります。複数のERPや会計システムと組み合わせて利用することで、グループ各社の取引データを一元管理するだけでなく、各社の取引データの自動生成なども行うことで、照合業務の効率化に加えて、そもそも不整合を発生させない環境を整備します。

3)照合業務の分散化と前倒し
 会社間取引の照合業務を連結決算時に親会社が行うのではなく、前述の共通ERPもしくは会社間取引管理プラットフォームを使用して、決算を締める前にグループ各社が会社間取引の照合を行うことで、グループ各社の決算数値の精度向上と連結決算処理の大幅な負荷軽減にします。

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