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財務・会計用語集

ファイナンシャルオペレーションマネジメント(Financial Operations Management )

ファイナンシャルオペレーションマネジメントとは?

オペレーションマネジメントとは、業務やプロジェクト上の目標を達成するために、オペレーション(業務フローや、フローの中での個々の作業や進め方)を組織的かつ継続的に管理することで、これを経理財務部門の業務に適用することをファイナンシャルオペレーションマネジメントと言います。これまでも多くの経理財務の現場で業務改善の取り組みがあり、業務フローの見直しや現場の創意工夫が施され、業務の効率化や決算の早期化などの一定の成果を上げてきました。

しかし、事業環境の変化が激しさを増し、将来の予測が困難を極める今、経理財務部門には経営の羅針盤としてより付加価値の高いアウトプットが求められるようになり、さらに、2019年末からの新型コロナウイルスの感染拡大によって、紙とスプレッドシートを多用し、個人のノウハウやスキルに頼った従来の仕事の進め方の問題点が一気に顕在化したことによって、経理財務部門の仕事の進め方(ファイナンスオペレーション)の巧拙が企業の競争力だけでなく、企業の存続性にも関わりかねない経営課題として注目されるようになりました。

ファイナンシャルオペレーションマネジメントは、なぜ必要なのですか?

これまでの業務改善の取り組みに加えて、会計システムやERPシステム、連結会計システムが導入・整備され、システム内のデータの精度や処理速度は向上しましたが、従来の仕事の進め方をベースにシステムを導入したため(例.紙の伝票に押印というプロセスはそのまま)、部分的には手作業が自動化されたものの、スプレッドシートや紙の帳票は多く残ったままです。最も早くにオペレーションマネジメントという考え方が取り入れられた生産管理のチェックポイントに照らして経理財務の現状を考えると、現場の課題はより鮮明になります。

・過剰生産  スプレッドシートの作成や手作業に時間をかけ過ぎている
・過剰生産  必要性を見直すことなく、従来通りのレポートを作成し続けている
・過剰加工  データの精度に不安があるため、間違いがないか何度もチェックする
・過剰加工  必要性を見直すことなく、従来通りの様式で報告書を作成している
・不良品   手作業に依存しているため、勘定残高の照合や突合など、
・不良品   決算プロセスの後半で多くのエラーが見つかる
・待機時間  前処理が終わったことに気が付かず、次の作業に入らない
・待機時間  レビューや承認が後回しにされ、次の作業に進めない
・動作    本人しかわからない方法で作業をする
・動作    効率性を見直すことなく、従来通りの方法で作業をする
・在庫    膨大な数のスプレッドシートや紙の帳票が山積み
・運搬    データを手作業で収集
・運搬    システム間のデータ連携がスムーズでないため、手作業で入れなおす

ここにあげた現場の課題は、経理財務の特定の業務において発生しているものではなく、大小の差はあるものの経理財務のすべての業務において見ることができます。また、業務単位(例えば決算業務)で考えた場合、業務の中のある処理のオペレーションだけを改善するだけでは不十分で、大きな効果を上げるには業務全体の最適化を考える必要があります。

さらに、グループ企業であれば親会社の経理財務部門だけが洗練されたオペレーションを行っていても十分ではありません。特にグローバルに事業を展開する企業では、現地の事業支援やリスク管理など、経営管理上の課題の多くは海外現法にあります。

また、働き化方改革の実現や人的資本の価値向上の観点においても、オペレーションマネジメントは重要です。ファイナンスオペレーションマネジメントは、経理財務部門が業務のムリとムダを排除し、生産性の向上と人材価値の向上によって企業価値の最大化に貢献するために必要とされているのです。

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