請求書照合
請求書照合とは?
請求書照合とは、購買取引において発注書や納品書の内容と取引先からの請求書の内容を比較して、請求書の内容が正しいことを確認する業務で、取引先への確実な支払と正確な仕訳を保証する、買掛金処理の重要な要素です。
同じような言葉に検収照合という言葉がありますが、こちらは商品やサービスを販売した側が行う業務で、顧客の検収通知書や、検収データと自社の売上明細、出荷明細を照合し、相違がない場合に売掛金を計上する処理のことを言います。
なぜ請求書照合を行うのか?
請求書照合によって取引先に対する代金の支払義務が確定するため、取引先からの請求内容に誤りの有無を確認することはとても重要です。しかし、企業と取引先が常に正しいタイミングで正しい処理を行っていれば問題ないですが、企業間の取引はデータ量が多く、購買プロセス(P2P)も取引先の販売プロセス(O2C)も複数の部門やシステムが関与するため、人為的なミスやシステム的な不備が発生するリスクをゼロにすることは困難です。
請求書照合にはどんな課題があるか?
企業規模や事業内容にもよりますが、一般的に請求書照合の対象となる取引データは膨大な量になるため、照合業務を手作業で行うと多大な工数がかかり、目検でのチェックは確認ミスが発生するリスクもあります。また、請求書のレイアウトや記載項目が取引先によって異なり、時には詳細な内容を確認するには不十分なケースもあり、照合業務をより不効率なものとしています。
こうした課題を解決するためには発注書と請求書のデジタル化(ペーパーレス化)し、照合処理を自動化する必要がありますが、これまで紙の請求書を発行していた取引先がペーパーレス化を実施し、その上で顧客企業の望む形での請求データを提供することは、容易なことではありません。また、発注書と請求書がデジタル化されても、データの項目や内容が整備されていないと、照合処理を自動化したとしても不整合データが多発し、内容の確認に時間がかかってしまいます。
請求書照合の自動化
照合業務を自動化するためには以下のようなデジタルテクノロジーが必要です。
1)請求書データの取り込み
照合システムに請求書データを取り込む方法として、大きくデータ連携とOCRの2つの方法があります。
<OCR>
OCRとはOptical Character Recognition/Readerの略語で、手書きや印刷された文字を、イメージスキャナやデジタルカメラによって読みとり、システムが取り込めるようにデータ化する技術で、紙の請求書のデジタル化が困難な取引先に対して使用します。OCRのテクノロジーは日々進化しており、近年ではAIを活用し、文字認識精度やレイアウト解析精度のさらなる向上を図ったサービスも提供されています。
<データ連携/ファイル連携>
数多くの取引先の請求データを自動で取込むために、特定のフォーマットだけでなく、複数のフォーマットのデータに柔軟に対応する必要があります。
2)自動照合
キー項目の内容と金額が完全に一致している場合に加えて、日付のズレや金額のズレ(消費税額の端数の違いなど)に許容範囲などのルール設定が柔軟にできることが必要ですし、1:NやN:Nでの照合にも対応できることが求められます。また、照合処理の整合率を高めるためには、運用を続ける中で照合ルールを調整する必要があるため、実務担当者が照合ルールを柔軟に変更できることが重要です。
3)仕訳データの自動生成と電子承認
照合処理で整合した取引データに対し、買掛金を計上する仕訳データを自動生成します。自動生成された仕訳データへの電子承認では、取引の内容や金額によって自動承認することで、効率性がさらに高まります。承認対象のデータに対しては、承認状況のステータスを関係者に表示し、承認処理の遅延を防止します。
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