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財務・会計用語集

信用リスク管理

信用リスク管理とは?

信用リスクとは、ひと言で言えば、債務者が経営状況の悪化などにより、債務が不履行になる(元本や利息があらかじめ決められた条件通りに支払われなくなる)リスクのことを言い、企業が商品やサービスを信用販売(掛け売り)した際の売掛金が、取引先の倒産などで回収できなくなるリスクも信用リスクに含まれますが、一般的には金融取引におけるリスクのことを指します。

信用リスクにさらされている金融商品の代表的なものとして、貸出債権や国債、社債、金融債等の債券、株式やクレジットデリバティブが挙げられ、債務が不履行になる事態が予想されると、発行体の有価証券の価格は下落します。金融庁の金融検査マニュアルでは、信用リスクとは、信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフ・バランス資産を含む。)の価値が減少ないし消失して損失を蒙るリスクと定義されています。

したがって信用リスク管理とは、一般的には銀行や証券会社などの金融機関が、資金の貸出先、株や債券の発行主体の信用力について評価・分析を行い、債務不履行のリスクを回避するプロセスのことを指し、一般の事業会社における売掛金や取引先に対する貸付金の回収リスクを回避するプロセスのことは“与信管理”と言います。

なお、銀行が貸出先の信用状態の調査をもとに、貸出先の評価から貸出、回収までの過程を個別案件ごとに管理するプロセスも与信管理と言い、金融機関における信用リスク管理方法のひとつとされています。

信用リスク管理に関連する用語としてどのようなものがありますか?

・信用格付け:債券や株式を発行する国や企業の信用リスクの高低には様々な要素が絡み、評価が難しいため、専門の業者が国や企業の信用リスクを評価・分析し、信用リスクの高低をランク分けして、アルファベットや数字で表現しており、このランクのことを“信用格付け”と言います。「ムーディーズ」と「スタンド・アンド・プアーズ(S&P)」はUSに本社を置く世界的な格付け機関として有名で、例えばS&Pでは、AAAを最高位とし、AA、A、BBB、BBと下がっていく表記方法を採用し、日本の経済ニュースなどでよく引用されています。

・信用供与先:信用取引における取引先。債券や株式の発行対。貸出金の貸出先。商品やサービスの信用販売先(掛売りした際の販売先)も広義においては信用供与先の範疇ではありますが、一般的には金融機関における金融商品の取引先を表す言葉として使用されます。

・デフォルト:債務不履行の状態。

・デフォルト確率:信用供与先がデフォルト(債務不履行)する可能性を表す計数で、例えば、ある金融機関の信用供与先が1,000件あり、年平均5件のデフォルトが発生している場合、デフォルト確率は0.5%となります。

・エクスポージャー:ある者が持つ金融資産の中で、市場の価格変動のリスクにさらされている資産の割合、 もしくは、ある特定のリスク要因の変動によって企業がどの程度影響を受けるか、そのリスクにさらされている金額のことを表す言葉。

・デフォルト時エクスポージャー:信用供与先がデフォルトしたときのエクスポージャー額を表す計数

・デフォルト時損失額:信用供与先がデフォルトした際、最終的にいくらの損失を被るかを表す計数、信用リスクの大小はデフォルト確率とデフォルト時損失額で計量化することができます。

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